会社員としての最強の1冊!―会社でチャンスをつかむ人は皆やっている!一流の部下力 上村光弼


凄い本です。
サラリーマンとして、上を目指していくための条件、いや、会社という組織においての仕事の本質を全て解説してしまった1冊です。「部下力」とありますが、上司へのゴマのすり方を書いた本ではありません。いや、究極のゴマのすり方を紹介している本です。

私は、生意気にも部長職であり、やはり部下をかかえる身です。本書が上司目線、経営者目線で書かれた本でしたので、私もそのような視点で読み進めました。現在の部下に求めていることが数多く書かれているだけでなく、私が言葉にできないモヤモヤと求めていたものに関して、見事、言語化され体系化されております。しかし、もっともっと刺さるものが・・・・・。

それは、私もまだ部下であるので、部下としての心構え、役割、仕事に関する考え方を再認識、と言うよりは・・・学びました。本書に書かれている一つ一つのことを自分にあてはめていくと、やってきたこと、求めていること、大切にしていること、耳の痛いこと、たくさんありました。やはり、この「耳の痛いこと」にあたる部分が、本書を読み終えたあと、現在の自分の考え方、上司との接し方を今から変えていく大きなヒントです。

自分の役職があがっていけば、もちろんその影響力は大きくなっていきます。しかし、それに伴い、上司である人の影響力はさらに大きい。上に行けば行くほど、期待される部下力のハードルは高くなり、それを評価する人の目も、ハイレベルになってきます。サラリーマンは、自分がトップになるまでは、常に誰かの部下でいるわけです。トップは会社で1人だけ。つまり、サラリーマンであれば、大半の人が部下なのです。ですから、部下力とは、仕事力、ビジネスに必要なスキルそのもなのです。

サラリーマンが昇給、昇格をはたすためには、何かしらの成果をあげる必要があります。その成果とはどんなものか?

それは、会社が求めていることに対する成果です。会社の求めていることは、経営者から、下へ下へと降りてきます。つまり、会社が求めていることとは、あなたの上司が求めていること。この上司の求めていることにフォーカスし、それに対する成果をだす。これが、サラリーマンとしての成功を掴む近道です。

本書は、その上司が求めていることを、部下力という言葉に置き換えて、ちょっとした言動から、心の持ち方まで詳細に解説しております。この1冊を身につければ、会社員としての「成功」を掴み取ることができるでしょう。

本書のテーマとは少しずれるのですが、本質的につながる、非常に大切だと思う、著者の一言をご紹介。

ビジネスとは「誰かにお役立ち」すること。ならば「誰にお役立ちするのか?」「どんなお役立ちをするのか?」「どのようにしてお役立ちするのか?」
この3つを常に深く考え続けること。それがすべてなのです。

あらゆる人に対して、有効な問いかけであり、これが明確にできれば、確実な進歩があることでしょう。私も、自分、自分の部下、上司、会社自体に問いかけ、問いかけ続けることにします。

目次
第1章 一流の部下は「スタンス力」が一流!
第2章 一流の部下は「印象力」が一流!
第3章 一流の部下は「コミュニケーション力」が一流!
第4章 一流の部下は「信頼構築力」が一流!
第5章 一流の部下は「仕事力」が一流!
第6章 一流の部下は「成長力」が一流!
第7章 一流の部下は「困った上司対応力」が一流!
第8章 一流の部下は「志力」が一流!

会社でチャンスをつかむ人は皆やっている!一流の部下力
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by 大森陽介
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マーケター必見の顧客獲得術―社長が知らない秘密の仕組み 橋本陽輔


サプリメントでお馴染の「やずや」の窮地を救ったという黄金の法則が公開された本。通販のみならず、業種・商品関係なしに通用するというこの法則は、マーケティング業務に関わる全ての方必見である。
著者は橋本陽輔さん。

ダイレクトマーケティング専門のコンサルティング会社勤務後に独立。その後、国内大手の教育会社をはじめ、中小企業のマーケティング・アドバイザーとして活動を開始する。現在は、健康通販で有数の企業である、やずやの大番頭・西野博道氏が開発した顧客ポートフォリオ理論を普及する「リピート顧客倍増実践会」の立ち上げに参画し、多くの企業に顧客のリピートを促進する方法を啓蒙している。

ビジネスにおいて、収益を決める一番重要な要素は顧客、いわゆるお客様である。そして、そのお客様を新たに作ること、守りつづけることが、企業が永続的に存在していくためには必要である。
一般的に顧客分析に使われているノウハウは、「RFM分析」「ABC分析」であるが、本書が明かす黄金の法則とは、「CPM分析」というもの。
「CPM分析」とは、顧客を5つの属性に分類するもので、「RFM分析」に「在籍期間」と「離脱期間」を組み合わせたものである。「RFM分析」は、短期的に結果を出すには優れているが、「CPM分析」は、今まで切り捨てていた下位のお客様の中で、将来有望なお客様を拾い上げるでくれる。ざっくり言えば、どの顧客層に力を注げば良いかが、今までと違った視点で見つかるのである。

例)
・初回現役客・・・「離脱期間」240日未満のお客様(初回客は「在籍期間」を0日とします)
・よちよち現役客・・・初回購入日から90日未満の間に2回目を買い、なおかつ「離脱期間」が240日未満のお客様
・流行現役客・・・「在籍期間」が90日以上210日未満であり、「離脱期間」が240日未満。なおかつ「売上累計」が7万円以上あるお客様
・コツコツ現役客・・・「在籍期間」が90日以上あり、「離脱期間」が240日未満。なおかつ「売上累計」が7万円未満のお客様
・優良現役客・・・「在籍期間」が210日以上あり、「離脱期間」が240日未満。なおかつ「売上累計」が7万円以上の客様

今まで販促コストをかけても、いっこうに効果が表れなかった経営者の方には、ぜひ読んでいただきたいものです。もちろん、この法則に全信頼を預けるような浅はかな経営者はいないだろうが、自社の戦術の一つとして、脳にストックしておくのはいかがでしょうか。

目次
第1章 マーケティングの常識を疑え
第2章 顧客ポートフォリオでお客様の心をつかめ!
第3章 グラフとデータを読みこなせ!
第4章 「絆」経営で自社も顧客も育成
附章  自社のボーダーラインを決めるための「Q&A」

社長が知らない 秘密の仕組み 業種・商品関係なし! 絶対に結果が出る「黄金の法則」
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by 具太郎
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安価でお手軽な知識習得法―だから新書を読みなさい 奥野宣之


今日は映画『私の中のあなた』を見て、命の尊さを再確認してたくさん涙し、生きてることにありがとう。と神様にお礼をしたが、欲はかくせない美々です(笑)。

今回ご紹介する本は、新書おたくこと奥野宣之さんの新書の素晴らしさ、新書活用法、新書ザッピング術が書かれた本です。恥ずかしながら私はまだ読書初心者の為、この本を読むまで「新書ってナンデスカ?宗教の本ですか?」って感じだったのですが(苦笑)。

新書は単行本と違って、800円で買えて低コストだし、非常に軽くコンパクトなサイズな為携帯性もいい。さらに、新書のジャンルは学術からビジネス、サブカルチャーまで何でもある。いまや、知の総合デパートを超えて娯楽からタレント本まで何でもあるという。

知りたい事や調べごとは多くの人は大抵ネット検索をするが、奥野さんは「情報の入り口は新書に限る」と説く。なぜなら、

ネットの検索で得られる細切れの知識に比べれば、はるかに体系的でかつ信憑性であり、議論的であり、学術的であり実用性があると言える。さらに、ネット検索で得た情報は誰にとってもほぼ同じ、かぶる情報ということだ。つまりネット検索でみんなかぶる情報を得るのではなく、新書でみんな知り得ないかぶらない情報を得ようということです。

この他にも1章では新書の利点が数多くあげられています。

今まで本屋に行っても新書は、失礼だけどあまり目立たないから目に入らないし、広告も少ないからインパクトも薄い。無意識に意識して見たことがありませんでした。でも、こう新書に着目してみると利点だらけですね。

2章では奥野さんが考案した新書ザッピング術のやり方やそのコツなどが紹介されています。

情報のツールとして信憑性も高く、知りたいことは全部、新書に書いてあると満を持して奥野さんが勧める新書、さらに新書を読む際に絶対的に勧めるのが、本を読むテーマを決め、そのテーマの本を「3冊まとめて同時に買う」ということです。

多読をして、3人の著者の思考を自分なりに判断するということですね。

3冊まとめて購入する際、ルールが3つある。

1冊目:「ロングセラーかベストセラー」
2冊目:「最近の本」
3冊目:「1番やさしい本」

こうして購入した3冊の本を、明確な問題意識をもって一気拾い読みしていくのです。

大切なのは3冊の違いに着目しながら、重要箇所にマーキングをしながら読むということです。

読み終えたら、3冊の本を抜け書きし、「ザッピングメモ」を作成すれば自分の考えが綺麗にまとまるし、後で読み返すこともできると、やはり読書後のフォローは大事なんだそう。

「ザッピングメモ」とは…

ルーズリーフなどのA4の紙を4枚用意。
1枚に1冊ずつ、マーキング箇所を丸写しし、4枚目には自分の感想を書く。
オリジナルの読書記録になる。

やはりどの本にも共通しているのが、読んだ後にこうしてまとめるというアウトプットが重要ですね。

この他にも、「新書ノート」や「探書リスト」、「思考ノート」と著者が考案した考えのまとめ方がたくさん紹介されている。興味がある方は是非読んでみて頂きたいです。付録として、著者の実際の「思考ノート」がいくつか紹介されていて、個人的にとても興味深かったです。

私の中で新書というものは堅苦しくて、難しそうな本というイメージでしたが、こんなに利点があったなんて正直驚きました。そして、知りたいことがあったらそのテーマの本を買ってみてはいましたが、同時に3冊買うなんてその思考と徹底ぶりにも驚きを受けました。著者は本を読まざるをえない仕事というのもあるけれど、本当に新書が好きということがにじみ出ている本でした。私もこの本をきに、3冊同時に読むのは少し抵抗はあるけれど新書にもたくさん挑戦してみたいと思います。

目次
序章 ビジネスパーソンのための新書活用法
第一章  だから新書を読みなさい
第二章  奥野式 「新書ザッピング術」のすすめ
第三章  新書を制覇する17の技
付録 「思考ノート」を記録しよう

だから、新書を読みなさい
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by 美々
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あの鹿田尚樹氏の処女作がいよいよAmazonで予約開始されたよ!


特異な経歴を持ち、ビジネス書評系ブロガーでお馴染の鹿田尚樹さんが本を出版されます。鹿田尚樹の「読むが価値」

実はまだ書影がUPされていないのが残念ですが、今話題の「記録」がテーマであるようです。
追記:書影がUPされました。

大事なことはすべて記録しなさい大事なことはすべて記録しなさい

ダイヤモンド社 2009-11-13
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鹿田さんと私の付き合いと言えば、、、オンラインでしかないのですが、あれよあれよという間に遠い存在になってしまった印象が強いです。お若いのにしっかりとした考えをお持ちで、私がブログから一度足を洗った時も、素敵なお言葉をかけてくださいました。Thanks!
元国会議員公設秘書で、書評ブロガーで、セミナー講師。そして、いよいよ出版ですか・・・。オジサン負けそ(汗)。
そんなわけで、今回は興味あるなし問わず、ご購入いただけたらと思っています。ぜひ、応援お願いします!ただ、肝心の本書の詳細がどこにも掲載されていない・・・。鹿田さん、どこですか!


by 具太郎
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知らないと損する! 脳に悪い7つの習慣―脳に悪い7つの習慣 林 成之


脳トレ」みなさん一度は体験してみた事があるのではないでしょうか。かくいう僕も、“脳年齢”の若返りを図るため、毎日必死にプレイしたものです。それだけ、脳の働きをもっと良くしたい!と考えていたということでしょうか(汗)。

本書では脳のしくみに基づき、脳に悪い習慣を知り、それらをやめることで、脳のパフォーマンスを最大限にする方法を紹介。

目次
脳に悪い習慣1 「興味がない」と物事を避けることが多い
脳に悪い習慣2 「嫌だ」「疲れた」とグチをいう
脳に悪い習慣3 言われたことをコツコツやる
脳に悪い習慣4 常に効率を考えている
脳に悪い習慣5 やりたくないのに、我慢して勉強する
脳に悪い習慣6 スポーツや絵などの趣味がない
脳に悪い習慣7 めったに人をほめない

そもそも目から入った情報はどのような流れをしているのだろう。

目から入った情報は「大脳皮質神経細胞」が認識し、「A10神経群」と呼ばれる部分に到達します。ここで生まれるのが「感情」です。脳では情報に対して最初に「好きだ」「嫌いだ」といった気持ちが発生するわけです。そして「A10神経群」は情報に対して「この情報は好きだ」「この情報は嫌いだ」などと感情のレッテルを貼ります。

このしくみを知ることにより、脳をダメにする習慣が見えてきます。僕たちは見た目などから「なんとなく嫌いだ」と判断することがありますよね。例えば、食べてみればすごくおいしいモノなのだけど、見た目で判断し、おいしくないと決めつけ思考することをやめてしまいます。これがまさしく、入ってきた情報に対し、「嫌いだ」というマイナスのレッテルをはり、思考力の発揮を妨げている、という事になります。

「嫌いだ」というマイナスのレッテルをはると、脳はその後に控える「理解」「思考」「記憶」という過程で、そのレッテルに引っ張られ、考えたり覚えたりする機能がしっかり働かなくなります。
一方自分が好きな事や自分のためになると感じることに対して、頭がよく働いて、いいパフォーマンスを上げられるという経験は、みなさんおもちのことでしょう。

嫌いなモノ、得意ではないと決めてしまうことによって、パフォーマンスの低下を引き起こしているのですね(汗)。脳のしくみを知り、うまくコントロールする事が出来れば、パフォーマンスを上げられるのだと。
そこで、脳に悪い習慣というのが、目次に上げた7つの項目。あれ?一見「当たり前だ」一般的に「よくない」とされているものが多くありますよね。人間、脳にとってよくないことは、経験則でなんとなーくわかっているものだそうです。しかし、脳に悪い理由をしっかり紐解き、理解した上で克服する事が大切なのですね。
この「なんとなくわかった」「だいたい理解出来た」と安心してしまうのも、実は脳にはよくないそうです(汗)。まだ終わってないのに、「できた」と思ってしまうと、事故報酬神経群と呼ばれるところが、「もうこのことは考えなくても良いな」と判断してしまうのだそうです。
これは危険。「あーなるほどね」などと安易に理解したつもりになってしまうと、それ以降のパフォーマンスが落ちてしまうことに。

仕事が「あと少しで完成する」と思ってほっとすると、途端に能率が下がる。
会議がそろそろ終わる頃になると決まってメンバーの集中力が途切れてくる…。
脳にとって、途中で「完成した」「できた」「達成した」といった言葉は”否定語”である、ということです。
「だいたいできた」ということは、実際は「まだ出来ていない」はずですが、
脳は「だいたいできた」という”否定語”によって、思考する事をやめてしまうのです。

本書で紹介されている脳のしくみを知る。また、7つの習慣をやめるだけでも、頭の働きを向上させることができそうです。まずは、何事にも興味をもち、嫌いのレッテルをはらないよう気をつけなくては!

脳に悪い7つの習慣 (幻冬舎新書 は 5-1)
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by ジョガ
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現代版理想のリーダー像―リーダーは半歩前を歩け 姜尚中


本書は、政治学者である著者がリーダーシップとは何かということについて考察するところを書いているものであり、次のような前提に立っている。


リーダーシップは、生まれつき与えられた才能ではなく、「自分もやってみよう」という意欲、「こうあったらいいな」という理想、あるいは失敗や成功の経験――、そういったものを通して、基本的に誰もが獲得できるものでなければなりません。(p.63)


まずはタイトルにある「半歩前」というワードがミソ。


例えば僕らがイメージしやすいリーダーというと、大きな理想を掲げて人々を導いていくタイプであり、経営者であればジャック・ウェルチとか、松下幸之助とかそういったタイプの方であったり、本書では革命家のチェ・ゲバラとか毛沢東レーニンといった例も挙げられている。しかし、これらの一般的にイメージされる「リーダー」は、ほぼ「カリスマ」と呼ばれる人たちであり、「半歩前」という言い方に準えると、「十歩前」を行くタイプのリーダーだという。


これに対しての「半歩前」。政治家であった金元大統領であれば、「ぜったいに国民の手を離さず、国民がついてこなければ、「半歩」下がって彼らの中に入り、わかってもらえるまで説得して、同意が得られたら、また「半歩」先を行く」(p.35)、というイメージらしい。そうやって、何を目指したらいいのか、明確なビジョンを示すことができ、将来に亘って持続可能な成長に向かっていくようなリーダーが、現代のリーダー像だと本書は説き、現代に「必要なのは、超人的なパワーではなく、周囲とわずかに前後しながら、人々を引っ張っていくようなリーダー」(p.45)だと言っている。


であればこそ、誰もがリーダーになりえる、なる可能性があり、僕は自信を持ってリーダーになるために前を見据えて取り組めばいい。


では、そうしたリーダーシップを発揮する人物に必要な素養とは何だろうか。僕が身につけているべきなのはどういったことか。本書では、「7つのリーダー・パワー」を提示してくれている。

7つのリーダー・パワー
 その1  先見力
 その2  目標設定力
 その3  動員力
 その4  コミュニケーション力
 その5  マネジメント力
 その6  判断力
 その7  決断力

むむっ・・・と思ってしまうものもあれば、先の見えそうなものもある。ちなみに姜さんのセルフチェックでは、自信があるのは「先見力」と「判断力」の2つだけだそうで。


僕が「むむっ・・・」と思ってしまう、すなわち最も身につけ難いのではないかと直感的に思ったのが「動員力」。姜さんも、実はこれはカリスマ性に近いものであり、誰でも身につけられるかというとそうではない面もあると認めている。あったらいいけれど、なくても他の力で補っていくことでリーダーとして立っていくことはできると解釈し、当面は気にしないことにする。ちなみに、「動員力」といえば小泉純一郎元首相だが、姜さんは小泉元首相については「リーダー」ではなく「アイドル」だとしているので、その点に興味のある方は本書第三章に詳しいので、是非手に取っていただきたい。


その他の力については、それぞれをテーマに様々なビジネス書が、大量に発刊されている。書物から学べるものがあるのであれば、日々書物に触れている僕にとってはアドバンテージだが、その中でも「マネジメント力」と「判断力」は芽がありそう。その他は通知表でいえば「がんばりましょう」というところか・・・。


さて、その「判断力」の中で、姜さんは、書物に学ぶような学問的なインテリジェンスを「「干もの」の知性」、「人文知」と呼び、一方、刻々と動いている現実の活動から得られる、経験則や生きた知識、あるいはそれに基づくところの状況判断力のことを「「生もの」の知性」と呼んでいる。これら二つの知性が「判断力」の源泉になるのであり、生ものの知性がないと話にならないことは事実だけれど、干ものの知性も組み合わされてこそ、リーダーの判断力は無敵になると説いている。


そう、僕らが何でビジネス書を読み漁るのかということを考えると、目先の問題解決のためという面もあるかもしれないけれど、リーダーとして、ビジネスや組織を引っ張っていける人材になる為ということも大きな目標としてあるのではないだろうか。ビジネス書ばかり読んで・・・という周囲の目が気になることもあったかもしれないけれど、姜さんの次の言葉を励みにしてはどうだろう。


「ちょっと皮肉を込めて言いますと、私は、日本のいまのリーダーたちにいちばん欠如しているのは、じつは、この部分ではないかとひそかに思ったりもしています。」(p.84)※判断力の項の結びの一文であり、「この部分」というのは判断力についての解説の中で、生ものと干ものの知性の組み合わせの重要性を説いている部分を指す、と僕は理解している。


ちょっと話がそれてしまったが、上記の7つの力のうち、リーダーにとって大切な力に敢えて順番をつけるとすると、恐らく「決断力」が一番にくる。(個人的には「がんばりましょう」な項目なのだが・・・)


姜さんはこの部分を「孤独力」とも言い換えている。よく経営者は孤独だと言われることがあるけれど、まさにその通りであり、孤独に耐えながら、責任ある決断を下し、みなにビジョンを示し、コミュニケーションをとりながら導いていくという姿こそ、リーダーシップを発揮する経営者像であろう。そして、ここで繰り返されているのは、初志貫徹、首尾一貫した確たる信念を持っていることが、リーダーにとって最も大切なことだという主張であり、僕の想いとピタリと重なるのである。


本書は、リーダーとしての自分の姿を思い描き、求められるリーダーとして立つために、今日から出来ることに取り組んでいく指針を示してくれた。


次代のリーダーを目指すビジネスパーソンには是非一読してもらいたい一冊であり、既にリーダーとしての立場にある人にも、今一度ご自身のリーダーとしてのあり方を振り返っていただくために手にとっていただきたい一冊としてお薦めしたい。

目次
第一章 カギは「半歩前」だ――そろそろ、ニュー・モデル
第二章 あなたも「リーダー」になれる?――リーダーシップ/ビジネス篇
第三章 「見てるだけ」ではダメです――リーダーシップ/政治篇
第四章 【対談】幸いなる邂逅――アジアのリーダー、金大中氏に聞く
終章  歴史と勝負する――「責任力」もしくは「信じる力」

リーダーは半歩前を歩け (集英社新書)
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by Taka@中小企業診断士(業務休止中)
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すぐれた演説・スピーチには、人の心を揺さぶり、歴史を動かし、世界を変える力がある!―あの演説はなぜ人を動かしたのか 川上徹也


スピーチが苦手な方って、結構多いのではないでしょうか。
そんな私も参考にさせていただいた著書です。

目次
はじめに 人を動かした演説には共通の法則がある
第1章 「小泉純一郎 郵政解散演説」
第2章 「田中角栄 ロッキード選挙演説」
第3章 「バラク・オバマ 2004年民主党全国大会基調演説」
第4章 「ジョージ・W・ブュシュ 9・11直後の演後の演説」
第5章 「ジョン・F・ケネディ 大統領就任演説」
第6章 「フランクリン・ル―ズベルト 大統領就任演説」
第7章 「マーティン・ルーサー・キング 私には夢がある演説」
おわりに

『仕事はストーリーで動かそう』『価格、品質、広告で勝負していたら、お金がいくらあっても足りませんよ』の川上徹也さんの新刊で、テーマは「演説」
最近になって、「演説」が見直されてきているといいます。
人の心を打つ「演説」というのは、いつになっても印象的で
その後の時代をガラッと変革させていく力があるものなんだと
改めて実感した気がしました。


最近では、第44代アメリカ合衆国大統領に就任したバラク・オバマ大統領。
選挙戦を戦っているときの「Yes,We,Can」や「Change」のフレーズで
一気にアメリカ国民の心をつかみ
大統領という職務に就いたのではないでしょうか。


もちろん、それだけではありませんが(汗)


日本でも、数多くの「演説」は行われています。
先に行われた衆議院選挙でも、街頭演説やテレビ演説など
候補者が様々なカタチで、選挙民である私たちに対して
訴えかけていたのは、記憶に新しいところでしょう。


私たちが、どれだけの演説を選挙期間中に聴いたかもありますが
どれだけの演説が、私たちの心に残ったのでしょうか。


政権交代を実現した民主党も、政権の座を奪われた自民党
その他の各政党も、どれだけ民衆に向かって心をつかんだ「演説」を
行うことができたでしょうか。


著書にも書かれていますが、日本ではまだまだ演説については
研究が不充分です。
そんな私自身も、研究が不充分というかまったくできていません。


なのに、人の心を動かそうと
毎日あらゆる手段を使って、ビジネスの場に身を投じている現状。
パワーポイントだけが、プレゼンのツールではないってことを
まざまざと見せつけられた気持ちになりました。


著者の川上徹也さんが一貫して主張されているのが「ストーリー」の重要性。
前作、前々作でも、このことに触れられています。


そんな著者が提案する「ストーリーの黄金律」

1.何かが欠落した、もしくは欠落させられた主人公
2.主人公がなんとしてでもやり遂げようとする遠く険しい目標・ゴール
3.乗り越えなければならない数多くの葛藤・障害・敵対するもの

これには、「なるほどぉ!」って唸るばかりで。


私なんか、すぐに心が揺さぶられてしまって感動しているのですが
人の心をここまで動かし、感動させるには
ある一定の法則があるとか、この著書を読んでびっくりしました!


漫才の世界にも法則があると『紳竜の研究』島田紳助さんが語っていますし
どの世界にも、研究したら「人の心を動かす法則」が
必ずあるものなんだなぁって、そんなことを感じました。


人生を方程式ですべてを表すことができないでしょうが
ある一定の方向性を導くことができるのではないか。
それを知るには、徹底した分析をすることが必要で
その分析をきちんと行っていくことで、自分は何をしたらいいのか?
しっかりと見据えることができるのではないか。


何でも勉強ですね。


「演説」のスゴさ、改めて実感した著書でした。
「心を揺さぶるスピーチの法則とは?」
必読です!


あの演説はなぜ人を動かしたのか (PHP新書)
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by ゴリクン。
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