「その服、どこで買ったんですか?」―キラークエスチョン 山田玲司

キラークエスチョン (光文社新書)
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本書は『Bバージン』『絶望に効くクスリ』などの漫画でお馴染みの山田玲司さんの作品。
「人は基本的に話を聞いてほしい生き物」であるが故に、コミュニケーション術における一番大切なテーマ「聞く」という事について論じられている。
私は「会話」をすることが大の苦手である。特にあまり親しくない人との「会話」は苦痛にも思える。だから、私の体からは年中「近づくな」オーラが出まくっている。また、本書の中でも取り上げられているが、エレベーターの中でのあの「沈黙」も非常にストレスが溜まる。これを避けるために階段を利用することも多々ある。

「その服、どこで買ったんですか?」

出会って1分の質問。たったこれだけの「質問」なのに、私の脳裏には大きな衝撃が走った。
この「質問」の裏にある、あなたへの「興味」。これはすべての人に携わっているであろう「認知の欲求」そのものである。
相手がこの質問に乗ってきたらしめたものである。あとは話を膨らませていけば良いのである。もちろん、話を膨らませるやり方もしっかり載っているので、その辺のフォローは抜かりない。

話の広げ方
・基本は「共感」
・話題を平行移動
・時間軸を入れてみる
・周囲の人の話で
・恋愛話
・他の分野にパスを出す

本書は、「キラークエスチョン」というタイトルとおり、killer(殺人的、素晴らしい)なquestion(質問)の集大成である。これを使ってもコミュニケーション能力が上がらないようではお手上げではないかと思うくらい、目からウロコのテクニックが満載である。これは、山田さんの5年間200人との対談による「インタビュアー」として経験から生まれたものなので、質の高さはお墨付きだ。
本書は、私のような人付き合いが苦手で日頃避けている人間にとっては、一朝一夕では身につかないスキルを、わずか700円程度で手に入れられる優れた作品なのである。
あぁ〜、何か無性に「質問」したくなってきた。

目次
01 「その服、どこで買ったんですか?」
02 「しんどいですよ……そっちはどうですか?」
03 「昨夜はちゃんと眠れましたか?」
04 「最強の野球チームを作るなら、いつの時代の誰を選びますか?」
05 「これは読んでおけ、と言える本を教えてください」
06 「あなたにとっての映画ベストスリーは?」
07 「あなたのお母さんはどんな人?」
08 「今までに言われていちばん嬉しかったひと言は?」
09 「どんな恋愛がしたいですか?」
10 「人生で出会った、いちばん魅力的な人は誰ですか?」
11 「ところで、お腹空いていませんか?」
12 「あなたが思うかっこいい人とは、どんな人ですか?」
13 「先輩、今まででいちばんの無茶ってなんすか?」
14 「つまり、こういうことなんですよね?」
15 「自分がいちばんつらい時期に学んだことはなんですか?」
16 「子供に○○の良さを伝えるなら、なんて言いますか?」
17 「自分の子供には、どんなふうに生きてほしい?」
18 「9・11の日に何をしていましたか?」
19 「今ここにタイムマシーンがあったらどうする?」
20 「5万円を好きに使っていい、と言われたらどうする?」
21 「朝目覚めて14歳に戻っていたらどうしますか?」
22 「10年後は何をしてると思いますか?」
23 「牛を殺して犬を殺さないのはなぜですか?」
24 「今日が人生最後の日だとしたら、今日スケジュールしたことをやるだろうか?」
25 「神様がひとつ願いを叶えてくれるとしたら、どうしますか?」
26 「あなたはなぜ今、この本を読んでいるのですか?」

by具太郎
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