そろそろブログ戦略を考えて運営しませんか?―白いネコは何をくれた? 佐藤義典

白いネコは何をくれた?
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本書は、『図解 実戦マーケティング戦略』『実戦マーケティング思考』の著者である佐藤義典さんが、マーケティング初心者にも理解できるようにストーリー形式でまとめた戦略論。
物語は、サエナイ社会人としゃべるネコという、どこかで聞いたような設定が気にはなるが、そんなことはどうでもいいこと。注目すべきは、マーケティング戦略の「戦略BASiCS」をいかに自分に腹落ちさせるかが、読み手の勝負どころである。

戦略BASiCSとは
Battlefield(戦場・競合)
Asset(独自資源)
Strength(強み・差別化)
Customer(顧客)
Selling Message(メッセージ)

マーケティングといえば、一般的には企業戦略と捉えがちだが、個人にも十分当てはまるもの。「戦略BASiCS」は仕事、恋愛、転職・就職、人生、、、ありとあらゆるケースに使える優れたフレームワークである。
今回は、ブロガーという立場である私が、どのようにすればブログ界で勝ち上がっていけるかを例に、「戦略BASiCS」を考えていきたい。ちょっと大げさだが、考える価値は大ありなので。

目次
戦略BASiCS 序論
プロローグ 昨日と同じ明日
第1章 Battlefield 失意 お前はどこで、誰と戦っているのか?
第2章 Asset 決意 お前は誰か?お前らしさとは何だ?
第3章 Strength 反転 お前にしかできないことは何か?
第4章 Customer 仲間 お前は、誰と共にいたいのか?
第5章 Selling message 決戦 お前は誰だと世の中に宣言するのか?
第6章 戦略BASiCS 使命 お前の使命は何か?
理論編

1.Battlefield(戦場・競合)
すなわち「どこで」「誰と」戦っているのか?戦いたいのか?
「どこで」とは場所のことであるが、当ブログの戦場は「web」となるであろう。「書評」という観点から見れば、「新聞」「雑誌」なども考えられるが、ブログサービスを利用して発表しているので、やはり「web」となる。
そして「誰と」とは、ビジネス書書評を書いている「ブロガー」が考えられる。それは「ブログ」だけでなく、同じ「web」上にあるサービス、「メルマガ発行者」も対象となる。
普段は、同じブロガーを「仲間」として捉えているが、マーケティング戦略的に考えれば「競合」として考えなければいけないのが、注意する点である。
また、「Battlefield」を考える場合必要とされるのが、その戦場に合った「スキル」である。「web」の場合は、言わずと知れた「IT」の知識であろう。「IT」の知識を持っているか、もしく身につけることが必須条件である。

2.Asset(独自資源)
「独自資源」と1セットであるものが次の「Strength(強み・差別化)」だが、前者は「目に見えないもの」、後者は「目に見えるもの」となる。「独自資源」が源泉であり、それにより「強み・差別化」が決まってくると言っても良い。
ここはかなり難しい項目であるが、個人としての「独自資源」を考えれば、「小売業界全般に強い」と「現役ビジネスパーソン」といったところか。ただ、本当に特筆すべき「独自資源」は、「複数人」で運営しているというのが一番であろう。まだ、完全に流れには乗れていないが、これが「競合他者」に“ない”、もしくは“強い”「独自資源」となるであろう。

3.Strength(強み・差別化)
先程の「独自資源」は、「“複数人”の“現役ビジネスパーソン”が“個々の業界に強い”ビジネス書評を書く」という事にまとめられる。
では、この「独自資源」を考えた場合、「強み・差別化」は何になるであろう。
この時利用できるのが、3つの差別化軸。これは「手軽軸」「商品軸」「密着軸」のどれかに絞り、他者が簡単にはマネできない「強み・差別化」を作ることである。
「手軽軸」で考えれば、「読みやすい」「分かりやすい」「更新頻度が明確」・・・といったところであろうか。「商品軸」で考えれば、「書評の質が高い」「紹介する本の質が高い」といったところ。「密着軸」は、「読者層を理解し、読者が求めている本を選ぶ」「ニーズに応えられるようなオープンなブログにする」といったところ。
「独自資源」を考えた場合、「商品軸」「密着軸」で及第点をとりながら、「手軽軸」を強化していくことがBestでしょうか。もう少し絞り込んで考える余地がありそうですが、何にしても、「簡単にマネされない」域に達しなければ意味がありません。

4.Customer(顧客)
「顧客」を決める為には、まずセグメンテーションしなければなりません。その上で、ターゲットを決めます。
「顧客」とは「読者」になるわけですが、現在の執筆陣の背景(「独自資源」)を考えると、「(執筆者が経験している)特定の業界の20代〜30代の若手・中堅のビジネスパーソン」が有力な「読者」。さらに先程の「強み・差別化」を併せて考えれば、「読書が趣味」というのも付け加えたい。
当たり前と言えば当たり前の分析になりましたが・・・。

5.Selling Message(メッセージ)
「顧客」に「見える・触れる」もの全てを指す。上記の4つの戦略が「机上の空論」とならないよう、この「メッセージ」がある。
例えば、ブログの全体的なデザインや執筆者のプロフィール画像
「ですます」調や「である」調などの文章の書き方。絵文字や顔文字。
コメントやメールに対しての返答対応。など
様々な「見える・触れる」ものが「顧客」に対しての、メッセージの対象となるわけである。
極端な話、1〜4がどんなに優れたものでも、最後の「Selling Message」にすべては委ねられてしまうのである。

さて、ここまでが当ブログを実験台として「戦略BASiCS」を考えてみたが、実際に本書を読んで自身で考えることをお勧めする。さもすれば、あなたが今まで気づかなかった「新たなブログ戦略」が発見できるかもしれないから。

【編集後記】
当ブログでは、随時執筆者を募集しています。今回の記事で書いた戦略が当ブログの大まかな戦略となっています。しかし、現在「強み」である「現役ビジネスパーソン」が「弱み」として露呈しています。つまり、「本業」が忙しくてなかなか「原稿」があがらないのです。
そこで、「私なら当ブログに貢献できる!」という有志を2名募集します。ご希望の方は、お気軽に私(具太郎)までご連絡ください。


by具太郎
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