部下という存在に対して考えさせられる一冊―社員のモチベーションは上げるな! 宋文洲

社員のモチベーションは上げるな!
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社会人2年目から部下を持ち、今まで様々な部下と出会い、葛藤し、別れてきましたが、いったい上司にとって部下とは何なんでしょうか?
上司の仕事はざっくばらんに言えば「マネジメント」になると思います。「マネジメント」と言えば、売り上げなどの「数字管理」、商品などの「在庫管理」、そして部下などの「人員管理」が代表的なものだと思います。つまり、ヒト・モノ・カネですね。
しかし、何年やっても未だに掴みきれないのが「人員管理」。もちろん私が担当すれば、確実に売り上げが上がったり、ムダな在庫が減り優良在庫だけになる、というわけではありませんが、それでもこれらは、データによる分析や、長年の勘により、ある程度の結果を得ることは出来るでしょう。
しかし、ヒト、つまり部下を管理するのは、非常にむずかしい。
ただ、ここで一喝!

人間をマネジメントするのではなく、仕事をマネジメントするのが上司の役目

本書著者、宋文洲さんの言葉です。

宋文洲さんは、ソフトブレーン株式会社の創業者であり、現在は同社マネージメント・アドバイザー。「プロセスマネージメント」については、彼の著書も多く存在しており、中でも『やっぱり変だよ日本の営業』は12万部を超えるベストセラーである。本書はトヨタ自動車社長の張富士夫も愛読しており、社長自ら自社の営業役員に配布したと言われている。

つまり私たちは、根本的な考え方が間違っているから、部下との付き合いに苦労するのです。
私は、本書タイトルにある「モチベーション」という言葉を直接部下には投げかけませんが、心の中で思っているのは事実です。
「自分の若いころのようなモチベーションを、何で今の若い奴らは持ちあわせていないんだ!」
これを言葉として発するのはNGだと分かっているので、辛うじて止めています。本当は言いたくてたまりませんが・・・。でも、本書を読んで考え方が違かったことに気づかされました。
「モチベーション」とは、個人の内面から生まれてくるものであり、外から与えるものではない。上司の仕事は、部下を管理するのではなく、仕事を管理することだと。
私は、マネジメントに関して、改めて考え直す時期に来ていると感じています。先日の『組織が大きく変わる「最高の報酬」 トータル・リワードを活用した行動科学マネジメント』と併せて読んでおくべき一冊です。


by具太郎
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