マンガでわかる良い店悪い店の法則 馬渕哲/南條恵

マンガでわかる良い店悪い店の法則 (日経ビジネス人文庫)
マンガでわかる良い店悪い店の法則 (日経ビジネス人文庫)馬渕 哲

日本経済新聞社 2004-04
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おすすめ平均 star
starこれも一種の起業家マニュアル?
star店舗づくりのサイドメニュー的一冊
star商店主の皆さん、読んで下さいな

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「この店員ウザイなぁ」とか「この客面倒だなぁ」という経験、誰にでもあると思いますが、実はお互い良かれと思っている行動が、逆に悪印象をもたらすことがあります。
本書は、とてもオーソドックスなタイトルですが、そのからくりを丁寧に教えてくれる良書でした。(Amazonでご購入の方は、タイトルに「マンガ」という言葉が使われていますが、決して「マンガ」ではなく「挿絵」程度と捉えてください)
私は仕事柄、店員としての視点から読んでみましたが、店員の心理が暴露されまくりで、正直一般の方に見られるのが怖いです。もちろん全ての店員がイケナイことを考えているわけではないと思いますが(一応フォロー)、結構高い確率でそう思っているのではないかと思います。結局、店員というお面を外せば、みんな同じ人間ですから。
そんなわけで、店員のイケナイ思考をご紹介!(実際にお店で確認して、店員にクレームなど入れないでね)

普通よりもたくさんの商品を買いに来る客は、「感謝」よりも「めんどくさい」と思う。

本来であれば、お店にたくさんのお金(売上)を落としてくれるので、感謝しなくてはいけないし、頭の中ではそう思っているのですが、その気持ちとは裏腹に、体は「めんどうくさい」オーラを出してしまいます。結局、いつもとは違う「負担」に対して拒否反応を起こすようです。

高い買い物をしてくれても注文が多い客は、「買わなくて良いからほかの店へ行け」と思う。

客の落とすお金が、まわり回って自分の給料になるわけですが、それはあくまでも理想的な考え。実際は、平和を崩す面倒な客は、どこかへ行ってもらいたいと思うのが正直なところでしょう。

客にお勧めする商品は、「本当に優れたもの」よりも「在庫のあるもの」から選ばれる。

通常、一日一日の目標売上(ノルマ)があるので、在庫がない商品を勧めるよりも、在庫がある商品を勧めて、目の前の売り上げに固持したいのが、店員の心情といったところ。

過剰なサービスは逆にトラブルを生みやすいので、最終的には店員の都合で最低ラインに落ち着く。

丁寧できめ細かいサービスをすれば、全てのお客様に好感を頂けると思うのが間違い。実際は、店員とあまり接点を持ちたがらないのが現代の客なので、その範囲での最低限のサービスに落ち着いてしまう。

クレーム時、店員は客よりも同僚の方の肩を持ちやすい。

一時的な付き合いである目の前の客よりも、長期的にわたる付き合いをする同僚の方に、心理的に肩を持ちやすくなる。要は、心の底から謝罪が出来にくくなってしまうらしい。

今回は「店員側」の視点で記事を書きましたが、これはほんの一例です。
以下、目次を載せておきますので参考にして下さい。

店の第1法則 店はサービスよりも店員個人の満足を目指す
店の第2法則 店員がやる気を出すと客を逃がす
店の第3法則 客は来てほしくないときにやって来る
店の第4法則 客と店員は仲よくなれない
店の第5法則 客は店員の想像を超えた理由でモノを買う
店の第6法則 店は商品ではなくアクションを売っている
店の第7法則 商店街の店主は売り上げよりも暇を求める
店の第8法則 客の不満は真心ではなく競争によって解消される
店の第9法則 人を変えようとする接客教育は失敗する
店の第10法則 店員の居場所を重要視した店には客が来る
店の第11法則 成功の秘訣は簡単だが、ほとんどの人はそれができない
店の第12法則 店の競争が万引きを生み出す

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