超訴訟社会 モンスター化する「権利主張」と恐怖の連鎖 平野晋

超訴訟社会 (コンパクトシリーズ)
超訴訟社会 (コンパクトシリーズ)平野 晋

ビジネス社 2008-12-19
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読者の方で法律に長けている人はいますか?
もしそうであるなら本書を読む必要はありませんが、大方の人は無知と言っても語弊ではないかと思います。もちろん私もその一人ですが、やはり人並みに危機感を覚えることはあります。
社会人としての経験が長ければ長いほど、仕事上法律に接しなければいけないケースも経験することでしょう。その際は、そのことに関して調べたり、会社の顧問弁護士にでも頼めば、解決できたかもしれませんが、これからの日本はそうも言ってられないようです。
本書は大まかに分けると、法化社会における「良い面」と「悪い面」に関して述べられています。
前者は、「裁判員制度」を中心として日本人がもっと法というものに対しての意識を高めるべき、という主張を。

人の生死も含めて、他人を裁く重たい責務を裁判官だけに背負わせて、主権者は知らぬ顔という今までのあり方は、やはり不健全ととらえるべきかもしれない。人が社会を形成し、その秩序維持も人が行わなければならない民主主義の現実を理解するならば、司法においても主権者が、権利と共に義務も負うべきだからだ。

後者は、「過剰な権利の主張」「PL法」を中心に、何でも他人のせいにする社会に対しての危惧を述べています。

「他人への敬意の喪失」が顕著になり、利己的な権利ばかりを臆面もなく主張する風潮が目立ち始めた。

私が良く経験する法律上の言葉は「クーリングオフ」(特定商取引に関する法律)。ただ、店舗を構える普通の小売業なので、「クーリングオフ」は適用されないんですがね。
自分の意志で商品を手にとって、自分の意志でレジまで持っていきお会計を済ませ、使用してみたら「思っていたのと違うので返品しろ!」と。もちろん、単なる「商品の性能」と「自分の期待」によるギャップを理由に返品など受けられないのでお断りすると、出てくる言葉が「クーリングオフ!!」
本書の話からかなり脱線してしまいましたが、今の日本社会の流れをみると、法律に関しては少しかじっておいた方が良いと思います。本書を読んで、その想いはますます深まりました。

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