スティーブ・ジョブズ 神の交渉力 竹内一正

スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)
スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない! (リュウ・ブックスアステ新書 48)竹内 一正

経済界 2008-05
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おすすめ平均 star
starキーマンとの直接交渉、物怖じしない姿勢。
starジョブス・フリークス、アップル・フリークスに捧げる
starまねはできない

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神じゃなくて悪魔だね。
この人の生き方は決して凡人には真似できません。従って交渉術を身につけるためにこの本を読んでもムダです。あくまでも読み物として楽しんでください。
もちろん役に立つ言葉(下記)はたくさんありますが、私達サラリーマンが交渉の場面でジョブズの真似したって上手くはいかないでしょう。
いや、確かにインパクトはあるかもしれません。でも、それが交渉相手に受け入れられるかどうかは別です。

企業に透明性が求められる現代だが、規律なしに雑多な情報がたれ流されるようでは、企業活力が低下していく。だれが、いつ、どのような形で、どんな情報を出すかのルールを決める。それが情報戦略である。

強烈にかなえたいことには、他人の手柄を奪い取ってでもモノにする覚悟を持つべきだ。酷薄なようだが、人の評価は「なにをなし遂げたか」で決まる。なし遂げたことがすごければ、その人物は「よい人」とされ、世間が物語をつくってくれる。

ボトムアップで上がった意見を幹部が吟味し、やっと社長が動き出すといったスローな経営では戦えない。トップの素早い判断と行動力が問われる局面が増えるだろう。

日常の仕事で、つい「専門外です」と自分に限界線を引いてはいないだろうか。線引きをしている限りは、仕事の質を高めることは難しい。能力アップも起こらない。新しいチャンスも摘み取ってしまっている。

ビジネスでは、恥をかくことこそ新しいチャンスと出会う第一歩である。

大衆が絶賛する商品とは、大衆がまったく気づかなかった楽しみを提供する独創的なものだ。市場調査に頼って商品開発を進めると、「ちょっといいもの」で終わる。大衆が手にしてはじめて「あっ!これがほしかったんだ」と気づくような「どこにもないもの」は、市場調査からは決して生まれない。目の前に見える需要を追うのではなく、「自分たちが需要をつくる」ことが、これから、より強く求められている。

お金は手段であって目的ではない。お金は、自分の夢を実現するために使うものだ。だが、凡人は「お金を貯める」という手段を、目的と勘違いすることがしばしばだ。

ピンチは嘆くものではなく、乗り越えるべきものと考える人だけが、チャンスの入り口に立てるのだ。

苦手を克服しようと努力するより、得意を伸ばすほうが強い武器となることは多いものだ。

「未来を予測する最善の方法は、それを発明することだ」

「興味を持った一つ一つのことに熱中していけば、そのときは散らばっている点のような別々の存在が、将来的にはつながり合ってすばらしい一つの大きなものとなる」

「君たち、人生の時間は限られている。他人の人生を生きてこの限られた時間を無駄にしてはいけない。世間の常識などという罠にはまってはならないよ。他人の意見という雑音に、自分自身の内なる声をかき消されないようにすることが重要だ。そしてもっとも重要なことは、自分の心と直感に従う勇気を持つことだ。心と直感は本当になりたい自分を知っている。それ以外のものなんてのは二のつぎだ。」

会社勤めをしていると、いつしか自分の人生が他人の人生にすりかわっていることがある。社内での地位の安定を求めると、自分の人生からそれていく。自分の意志を通そうとすると、立場は不安定になる。組織の中で自分の人生を生きるには、不安定な状況を受け入れる覚悟が必要だ。そして、自分の人生を生きようと挑戦するサラリーマンからこそ、すごいモノは生まれるのだ。

と言いながら、結構付箋箇所が多かったようです。それだけジョブズの生き方が刺激的で強烈であることを物語っているのでしょう。しかしそれ以上に、各章末にある竹内氏のまとめ方が大変勉強になりました。

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