お客様は神様か? 中山マコト

マイコミ新書 お客様は神様か?~売れない時代の新しい接客・サービス~ (マイコミ新書)
マイコミ新書 お客様は神様か?~売れない時代の新しい接客・サービス~ (マイコミ新書)中山 マコト

毎日コミュニケーションズ 2008-12-23
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おすすめ平均 star
star高度経済成長期に作ったマニュアルがお客様を不快にしている
starすべての人に読んでいただきたい本です!!!
star「神様でないお客様」は、いったい何なのか?

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お客側と店員側の相対する問題。お客が正しいのか、店員が正しいのか、どちらが正すべき存在なのか、これは私にとって大きなテーマの一つです。
なぜなら、双方とも様々な社会的背景によって、着実にモラルが低下していっていると日々感じているからです。マニュアルに書いてあることさえも出来ない店員、お金を頂いているという意識がまったくない店員、店員を同じ人間として扱わないお客、常識を失った自己中心的なお客、程度の差こそあれ問題とすべき人間は増えています。
今回の本は、店員側にメスを入れた内容です。普段何気なく使っている接客用語そのものに指摘を、会社の経営手法に指摘を、接遇に指摘を入れています。私の感想としては、著者の考え方は半信半疑というところ。なるほどと思わせることもありますが、それは揚げ足取りでは、ということも見受けられます。
そもそも著者の中山氏は、あらゆるところで自分が気に入らないことは遠慮なく店員に指摘している様子。これは相手に対する思いやりと取れるかもしれませんが、むしろ店側からすればクレーマーとまでは言わずとも、間違いなくめんどうなお客だと思っていることでしょう。なぜなら、昨今何でもかんでもクレームとして上がってくる現実があり、クレームそのもの価値が下がっていると考えられます。本来なら改善すべき内容であったとしても、数多くあるナンセンスクレームに隠れてしまう恐れがあるからです。
同じ接客業でも、職種や業態によって客層や客質は変わります。中山氏はお客様を「家族的なもの」と思えと言っているけど、個々の環境を踏まえたうえで、「神様」だろうが「王様」だろうが「家族」だろうが、臨機応変に考えれば良いかと思います。ちなみに私は「子供」だと思って接しています。言葉を発しない赤ん坊に接するように、何を考えているのか、何を求めているのか、何をすると気分を損ねてしまうのか、表情や態度から読み取るように努力しています。結構疲れますけど、効果は抜群です。

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