趣味を実益に!―週末店主 柏木珠希


私の夢の一つに「自分の店を持つ」というのがある。
私が子供のころは、「本屋さん」「おもちゃ屋さん」「花屋さん」「ケーキ屋さん」と、割と「店員さんになりたい」という子供が多かった覚えがあります。それに比べ、現代の子供の夢は、「メジャーリーガー」「サッカー選手」「歌手」「女優」「社長」と、もっと華やかな夢を抱いている子が多いようです。(情報筋:私の子供)
なぜ「店員さん」になりたかったというと、「自分の好きなものに囲まれて仕事をする」という単純で純粋な理由からであったのでしょう。今では、そんなことは微塵も感じずアクセク働いていますが。
長年、小売りに携わってきて感じたことは、

1.やりたいことがやれない
2.売りたい人に売れない

の2つ。
この2つが、私の心を大きく蝕んでいきました。
1.やりたいことがやれない
これは会社を存続させるための目的である、「利益を上げる」ことが原因としてあります。この「利益を上げる」が、本来の存在意義である「社会貢献」に(不本意にも)直結させられるので、「利益を上げられない」ことは、会社内に存在させてはなりません。特に、大企業になればなるほど、その考えは大きくなってくるでしょう。
その結果、本来消費者にとって必要であっても、会社都合(利益)によって、抹消されることもしばしばあります。
2.売りたい人に売れない
これは、競争激化している中で生き残っていくためには、考えられる限りの「サービス」で他社と差別化していかなくてはなりません。ただ、この「サービス」が過剰になりすぎ、消費者を過保護にさせています。クレーマーやモンスターペアレントはともかく、一般の消費者の思考も日々劣悪化しています。本来、物々交換であり、等価交換であるのだから、メーカーも小売りも消費者も対等の対場でなくてはなりません。
しかし、現状の力関係は、メーカー≦小売<消費者という考えが一般的であるでしょう。これにより、強者により弱者がなくなく言うことを聞く、ということが現実に行われています。
この2つの理由により、私は小売りから一時足を洗ったことがあります。
でも、やはりあの商売の「おもしろさ」は忘れられませんでした。気づけば、わずか2カ月足らずで、小売りに戻っていました。だからと言って、前述した2つの理由は何ら変わりありませんが。
そこで私は、将来爺さんになったら、のんびりお店を経営していくのもいいかなと、心のシフトチェンジをしたのです。
そんな私に朗報が!
「年中無休だけがお店じゃない!」「週1〜2の営業だっていいじゃないか!」
そんな夢のようなアイデアを与えてくれたのが、本書『週末店主』
週末店主とは?
1.普段は会社員など、ほかに仕事を持っている

サラリーマンやOLなどの仕事をメインにして、自分の「やりたい」を形にしている人。生活のために副業をするのではなく、好きなこと、趣味を自己満足に終わらせず、人に評価してもらい、収入につなげようという価値観の持ち主。

2.仕事が休みの日に週1,2回のみ店を営業している

「店舗営業」をしている人でなければ、いくら週末に副業を持っていても「週末店主」とはいえない。自分が運営する、経営する「自分のお店」であることがポイント。

3.あくまでもリアルな店舗であること

インターネット上で、ビジネスを展開するネットビジネス、ネットショピングは「週末店主」ではない。ここが「週末起業」と大きく違うところ。リアルな店舗を持ち、そこで積極的に人と関わろうとする人。

4.金儲けが目的ではない

設けるために店を始めるのではなく、夢を実現する、自分らしさを追求する、趣味を楽しむ、といったライフスタイルの確立を目指している人。

そのメリットは?

1.低コストで始められる!
2.低コストだから借金などせずにできる!
3.会社員など本業を続けながらなので、毎月の給与で生活すればいい
4.たとえ失敗しても低コストだし、本業があるのだから、かすり傷程度で済むはず

少なからず初期投資は必要であるが、かなり敷居が低くなったのは確かだ。
「休日にも仕事?」だと思ってしまうと苦痛であるが、好きなモノに囲まれて、まるで自分の「基地」であるかのように、日頃のストレスをリフレッシュさせるつもりで始めようと思えば、考えただけでワクワクしてくるのではないか。
わけあって、しばらくは実行に移せないが、将来の夢がだいぶ近くなったことに感謝をしたい。


by具太郎
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