「やさしい」って、どういうこと?―ブッダが教えた本当のやさしさ アルボムッレ・スマナサーラ


頭をガツンとやられた。
「やさしさ」をとことん追求した人生哲学は、「やさしさ」が枯渇している今にこそ読むべき本。

目次
やさしさについて誰も知らない
やさしくない世界
本当のやさしさ
エゴの治療法
一切生命の幸福のために

聞くところによると、本書は「エチカの鏡」で紹介されたらしいのだが、私は読者に紹介され購入に至った。「やさしいね。」
元々は、こちらのタイトルで出版されたのだが、
「やさしい」って、どういうこと?
「やさしい」って、どういうこと?
文庫化され、改題された模様。前の方が好みです。
ブッダが教えた本当のやさしさ (宝島SUGOI文庫)
ブッダが教えた本当のやさしさ (宝島SUGOI文庫)
「やさしさ」って何ですか?
というのを、ブッダの教えをベースに紐解いていく内容なので、それなりに宗教的で哲学的である。でも、たまにはこういう単純なワードに秘めた真理について追及していくのも、脳の活性化には良いかも。
私たちは何のために生きているのか?死んだらどうなるのか?なぜ生まれてきたのか?
なんてことを昔考えたことがありました。もちろん漠然と思い浮かべただけなので解答は出ませんでしたが、その問いは今でも頭の片隅にしまってあります。

私たちは、どんなときに「この人はやさしい」と思うのでしょうか?「この人はやさしくない」と思うのでしょうか?
それは、「相手が私の好む態度をとったかどうか」で、決まるのです。

より具体的に言うと、

相手がやさしいかどうかは、私が独断と偏見で決めてしまいます。誰かの意見を聞いて客観的に判断したりはしません。もっぱら自分の自我、エゴ、自己中心的な強い自意識で決めているのです。

ガツン!
もう一発、ガツン!
やられましたね、これは。
普段、仕事の上で上司という立場で偉そうなことを言っても、結局は自分の型に「はまるか」「はまらないか」で評価を決めてしまっている。これは、「やさしいか」「やさしくないか」の判断基準とまさしく一緒。つまり私はエゴの塊で部下を評価していたのです。
だからと言って、具体的な解決策があるかというと、そうでもなさそう。それでも、自分の許容範囲を広げていけば、多少はマシになるのではなかろうか?
理解したつもりでも理解しきれていない、そんな教えが詰まった「やさしさ」の本です。


by具太郎
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