著者金子氏の値切り術VS現役販売員の値切り術―超三流主義 金子哲雄


本書は、「清く、貧しく、ゴージャスに!」をモットーとして生きるための、金子流サバイバル術を公開したものである。
最近よくTVで見かける著者の金子哲雄さん。特に、家電製品の値切り方なるモノで出演されているようだが、本書でもこの件について言及されている。
そこで、今回は家電量販店に勤めている私の友人の意見を交えながら、値切り術をご紹介したい。
1.日曜日の午後7時以降、お店に出かける。
金子氏:家電量販店では土曜日の朝にチラシを入れ集客し、土日で売り上げを立てるというビジネスモデルで動いています。つまり、日曜日の夜7時から閉店までの時間帯は、売り上げ予算達成のためのラストスパートタイムなのです。この時間帯で売り逃してしまうと、翌週の土日まで売り上げを立てるチャンスは巡ってきませんから、お客さんの値切り交渉にも応じてくれやすい。
知人:確かに土日の売り上げ目標は高いですが、土日で全てが決まるわけではありません。基本的にその日の目標は、前年の実績に対して決められるので、土日平日問わず、曜日に見合った目標が設定されています。もちろん、日曜に失った売り上げを平日でカバーするのは厳しいという事実はあります。ただし、日曜の夜7時以降という時間帯は、売れ筋在庫が完売していることが多いので、お客さまにとっては無駄足に終わる可能性もあるかと思います。
2.価格決定権のある主任さんを呼ぶ。
金子氏:量販店の販売員は、ほとんどがメーカーから派遣された販売員で、価格決定権を持っていません。そこで、販売員を捕まえたら「主任さん、いますか?」と、価格交渉権ならびに価格決定権を持つ主任さんを呼んでもらいます。
知人:確かにメーカー派遣の方は価格決定権を持っていません。だからと言って、始めから主任を呼ぶのはどうかと思います。どこで学んだか知りませんが、来店そうそう店長や主任を呼んで接客につかせ、最安値まで値切ろうとする人がいますが、もう少し冷静になって考えてもらいたいものです。価格決定権が店長や主任だけだったらいくら体があっても足りません。いくらまで値引けるかという基準は、すでに全社員が分かるようにシステム化されています。つまり、量販店の社員であれば、だれが接客しても値引ける価格は変わらないわけです。
3.売れ残り在庫を狙う。
金子氏:量販店もメーカーも、在庫を抱えているだけで保管のためのコストがかかります。ですから、できるだけ早く売りたいというのが本音。値切りのポイントは、そこを突いて、売り手が困っている商品、在庫がある商品を狙うこと。
知人:ある一店舗という視点で見れば、金子さんの仰りたいことも分かりますが、量販店というのは多店舗展開しているのが基本だと思います。つまり全社的に考えれば、売れ残り在庫というのは多数あるので、お客さまの値切り交渉を待つような戦略は取りません。それでは、いつまでたっても在庫をさばけないでしょう。というわけで、そのような売れ残り在庫というのは、始めから“底値表示”“特売品”として売り出します。
4.あなたの味方であることをアピールする。
金子氏:まずは「安いですねぇ」と、その価格を褒めること。量販店の価格競争が激しいなか、その競争の最前線で戦い、かつ社内でもノルマに締めつけられているのが売り場主任。価格を褒め、その努力を認めることによって、「自分は買い叩く客ではありませんよ。あなたのノルマ達成をお手伝いするためにやってきた、あなたの味方なのです」とアピールするのです。
知人:純粋にいいお客様なら値引き交渉に応じる可能性は高いです。私達も人間ですから、相手の態度を見てこちらの態度も変えていきますからね。ただ、金子さんの仰るようなことをお客さまに期待はしていません。私達も誇りをもって仕事をしているわけですから、同情を求めるほうがおかしいと思いますが。
5.一切の見栄は捨てる。
金子氏:主任さんと信頼関係を築いたら、こちらの立場に共感してもらうための一言を。「安いとは思うんだけど、ほら、今、景気が悪いでしょ。ウチには子どももいて教育費がかかるし、住宅ローンも抱えているし。そこへきて、テレビが壊れちゃって……」
知人:ここまで話が進んだら、いままでの接客時間が勿体ないので、値引きはしてしまうかもしれません。ただ、本音を言わせてもらえば、「だったら、ワンランク下のテレビにしなさい」と言いたいですね。
6.現金値引きがダメなら、ポイント還元UPを狙う。
金子氏:値引き交渉が始まると、主任さんは「わかりました。少しでしたら」と、電卓に数字を打ち込んで提示するはずです。その電卓を受け取ったら、速攻で自分の希望価格を打ち込み、無言で返します。この時点で、希望価格で交渉成立となればめでたしめでたしですが、店に行ったタイミングによっては現金値引きが難しい場合もある。そんな場合は、「じゃあ、ポイント還元をアップしてくれませんか?」という交渉に移行します。
知人:金子さんの仰るとおり、「現金値引き」よりも「ポイント還元アップ」の方がしやすいのは事実です。「現金値引き」の場合は、基本的に「卸値」を割って販売することは出来ません。赤字になりますからね。反対に「ポイント還元」というのは、例え「卸値」を割ったとしても、次の買い物につながる「ポイント」ですからね。単純に「現金」と「ポイント」の価値の違いと言ったところでしょうか。
7.最後に販促品をねだる。
金子氏:商品の売買が成立したら、最後に「メーカーの販促品を、何かオマケにつけてくれませんか?」の一言を。
知人:どうぞお好きなだけお持ち帰ってください。言われなくても、販促品が残っていれば差し上げています。

知人からの値切りアドバイス
消費者の皆さんはご存じかどうかわかりませんが、時代とともに商品の値札表示が大きく変わっています。
昔は、店頭の値札は「定価表示」であったので、「値切り交渉すれば安くなる」「交渉しない人は定価で買っていく」という時代でしたが、今のような競争の激しい世の中では、「定価表示」では生き残っていけません。
そのため、例えば「交渉の出来ない」内気な人でも、値札を見れば「購入できる」価格というのが分かるようになっています。なぜなら、量販店は一人もお客さまを逃すわけにはいかないからです。
この「購入できる」価格というのは、昔で言えば「値切り交渉」後の価格となります。ですから、「交渉してもしなくても大差がない」というのが、今の時代の結論になると思います。もちろん例外もあるので、ダメもとで交渉してみる価値はあると思います。

さて、今回は友人の登場という変わった切り口で記事を書いてみました。
本書は、「家電製品の値切り術」の本ではなく、おおまかに「節約術」の本です。「年収200万円で600万円の暮らしを!」というサブタイトルにあるとおり、「低収入でも頭を使えばそこそこの暮らしができますよ」という内容です。
だからと言って私は目指しませんが、「超三流」を。目指すならやはり「一流」でなければね。
ちなみに、まともな書評はhiroさんのブログをご覧ください。清く、貧しく、ゴージャスな魔法-320 超三流主義@あなたの人生が勇気に満ち溢れる555冊の多読成功術

目次
1章 「賢い買い物術」と「値切りテク」で、人生のコストを半分に節約できる!
2章 住宅費を制する者が人生を制する
3章 景気の波に左右されない「強い家庭」をつくる!
4章 清く・貧しく・ゴージャスに!
5章 良好な人間関係が、お金を生む究極の武器になる!
6章 「身の丈を知る」ことから、“超三流主義”の一歩を踏み出せ!

超三流主義
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by具太郎
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