ヒット商品の裏側で起こっている男たちの戦い―ヒットを生み出す最強チーム術 キリンビール・マーケティング部の挑戦 佐藤章


ヒットを生み出すということは、そこに新たなる戦いが生じるということか!?

目次
第一章 「一番搾り」リニューアルの舞台裏
第二章 落ちこぼれからスタート
第三章 “確信犯”がヒットを生む
第四章 開発は異種格闘技
第五章 言葉をいかに磨くか――会議とプレゼンの技法
第六章 縄文サラリーマンのすすめ
対談 佐藤章×佐藤可士和
――ものづくりはコミュニケーション

キリンビール麒麟麦酒)っていったら、日本を代表するお酒メーカーで、さぞかし売り上げも利益も安泰だろうって、勝手に思っていたのですが、やっぱり、ヒットを飛ばすということは並大抵のことではないんですね(汗)
キリンビールマーケティング部部長の佐藤章さんの著書で、私も初めて、キリンビールの中でこんなやりとりがされていたんだって本当に勉強になった一冊です。
チャレンジすることって、ものすごいエネルギーがいるんですね。
最初に出てきた「一番搾り」なんかは、私はとっても好きなビールのひとつで、その飲みやすさが気に入っていたりしたんです。
でも、同じ味ではそのうちに消費者に飽きられてしまうし、ライバルメーカー(おそらくA社)の大ヒットもあって、キリンビールといえどもその販売シェアがどんどん右肩下がりになっていったことがあったそうです。
そりゃぁ、まずいですよねぇ。売り上げが下がれば利益も下がって、会社としては当然よろしくない。
そんな状況下で、ブランドのリニューアル化を行ったときの話しが出てくるのですが、この話しがかなりリアルに書かれていて、チーム内でどんな議論がされていて、どんな想いで「一番搾り」のリニューアルを成功させたのか。とても興味深く拝読させていただきました。
そこには、上司と部下とか、所属部署とか、会社の社内社外とか全く関係なく、「一番搾り」のリニューアルに必要な要素をすべてかき集めて、この商品を世に送り出したことが、鮮明に書かれていて本当に面白かった。
人は、その想いに賛同し心突き動かされて、新しいものを生み出すのでしょうね。
そんな著者自身も、順風満帆の人生とはいえなかったようで、営業から開発部門、そしてキリンビバレッジへの異動などを経て、キリンビールマーケティング部部長として、現在も活躍されているとのこと。
とても印象的なのが、どのプロジェクトに参加していても、徹底的に議論をして、チーム全体が納得したカタチで進めていって、商品を世に送り出していっている、その情熱が本を通じてよく伝わってくるようです。とても熱い方なんだろうなぁと思いながら、この本を読み進めていました。
仕事と言うのは、やっぱりそういうことで、
「この人となら、新しいことにチャレンジしていける!」
「このプロジェクトなら、いっしょうに心中できる!」
そんな想いが芽生えてこそ、本当の成功が見えてくるのかなぁって。やっぱり、仕事に情熱を傾けている姿は見ていても気持ちがいいもんです。
イチロー選手が、一本のヒットを打つことに情熱を傾けていること。その姿を民衆は目にすることにより、その人を応援したくなるものだと思います。
お客様に、もっと支持されたいと思うのならば。
会社に、もっと自分の評価をして欲しいと思うのならば。
上司に、もっと自分のことを認めてもらいたいと思うのならば。
部下に、もっと積極的に仕事をして成長して欲しいと思うのならば。
好きな人に、もっと自分のほうに向いて欲しいと思うのならば。
自分自身が、もっと成長したいのならば。
ヒットを生み出す最強チームのやっていることをひとつでも盗んで、自分のものにしていくべきではないでしょうか。
私も、やってみようっと。
ヒットを生み出す最強チーム術 キリンビール・マーケティング部の挑戦 (平凡社新書 487)
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by ゴリクン。
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