イチローになるためのたった一つの方法―一流の思考法 森本貴義


本書は、2009年のWBCの日本代表チームや、シアトル・マリナーズのトレーナーを務めた森本貴義さんの著書。
帯にこう書いてある。

「僕の筋肉を触った時間の記録はこの人が持つ・・・それは他との比較ができない程圧倒的に」

これは森本さんに向けたイチローの言葉である。
一度はイチロー本を読みたいと思っていたが、これが初体験。イチロー自身が書いているわけではないが、節々にエピソードが盛り込まれており、それが逆に飽きがこなくて読みやすい。
さて、スポーツ界の成功者として、最近のビジネス書によく取り上げられているイチローだが、そのイチローがなぜビジネス書なのか?
それは、ビジネスパーソンに大いに役立つ思考を持っているからだ。

昨日の自分と、今日の自分を比較する

人は誰しも他人の目や、他人の評価も気になる。だから故に、他人との比較で自分を評価してしまう。これはある意味、「他人に自分の人生を生かされている」ことの表れである。大切なのは、他人ではなく、自分なのである。
上記のイチローの思考は、凄くストイックな考え方であるが、至極まっとうな生き方である。

結果が出なかったら、その原因を抽出し、プロセスを改善する。その結果、昨日の自分よりも今日の自分を成長させる。

一流の人間になるには、物事の真理を見つめ、単純さを理解し、そして継続することが、一番の近道であり、唯一の道ではなかろうか。
私たちは毎日、毎週、毎月、同じことの繰り返しで年数を重ねていく。それが当たり前として流されて生きていく人生、それに危機感を感じ変化を求めていく人生、あなたはどちらを選びますか?
本書を読めば、イチローにはなれないが、イチローのような一流人になるヒントは手に入れられるだろう。自分と自分の人生に甘い人には、ぜひ読んでいただきたい一冊である。

目次
第一章 失敗率という考え方〜失敗が少ない人とはどんな人?〜
第二章 無意識のチカラ〜失敗を減らすために、一番重要なこと〜
第三章 無意識のチカラをつくり出す「4つの型」〜ルーティーンが成果を生み出す〜
第四章 道づくりと体づくり〜あなたの体に成功は宿るか〜

一流の思考法 WBCトレーナーが教える「自分力」の磨き方 (ソフトバンク新書)
4797354003


by具太郎
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