明日から部下を劇的に変える行動科学マネジメント―組織が大きく変わる「最高の報酬」 石田淳

組織が大きく変わる「最高の報酬」 トータル・リワードを活用した行動科学マネジメント
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部下が自分の思い通りに動かない、やる気が見られない、全く成長してくれない、、、と思ったことはありませんか?
私はほぼ毎日思っています。かれこれ10年以上も思い続けています。
そんな日々の葛藤に嫌気がさして、解決策を探そうと何冊もマネジメント系の本を読みあさりました。もちろんその中から共感を得たものは実践しましたが、何か物足りませんでした。
それはなぜか?
私は中間管理職のため、上司という立場であり、部下という立場でもあります。だから、うっすらと気づいていたのです。その答えが何なのかを・・・。

目次
第1章 組織を成長体質に変える「トータル・リワード」とは?
第2章 マネジメントを分解すると、あなたは10倍ラクになる
第3章 トータル・リワードを使いこなすための行動科学マネジメントの基本
第4章 部下とチームを変える14のメニュー
第5章 事例でわかるケース別トータル・リワードの使い方

それは、本書のテーマとなる「トータルリワード」にあります。

「トータルリワード」とは、金銭では得ることのできないさまざまな「報われ感」も報酬として与えるという考え方。

それでは、具体的にどのような報酬を与えれば良いのか見ていきましょう。
A (Acknowledgement)感謝と認知

仕事の大切なパートナーとして認知し感謝すること。その人がいてくれて嬉しいという態度を具体的に示すことが重要。給料を与えているのだからやって当然という態度をとったり、無視するようなことをしていないか。無視は罰を与えるよりも人を傷つける。

B (Balance[of work and life])仕事と私生活の両立

人はなんのために働くのかといったら、一つは、暮らしを充実させたいからである。勤務形態などフレキシブルに対応して、私生活も大切に考えてあげること。とくに、有能な女性社員を活用するうえで欠かせない要素である。

C (Culture)企業文化や組織の体質

自由に意見やアイデアを述べられ、役職や立場を超えて認め合いねぎらい合える連帯感があるか。足を引っ張り合ったり、派閥で争っていたりというような陰険な組織に忠誠を尽くす人はいないだろうし、成果を上げようと積極的になる人も少ないはずだ。

D (Development[Career/Professional])成長機会の提供

有能な社員ほど成長意欲が高い。もちろん凡庸な社員が成長してくれたら言うことはない。社員の成長のために、セミナーや研修会に参加する費用や時間を与えたり、社内でキャリアアップのための制度を設けるなどしていくことが求められる。

E (Environment[Work place])労働環境の整備

オフィスの立地や居心地は、社員にとって重要問題である。便利でおしゃれな場所にオフィスがあればそれに超したことはない。スペックの高いパソコン、使いやすい文房具をまとめておく。

F (Frame)具体的行動の明確な指示

仕事とはあいまいに指示されるものであってはならない。結果を出すために何をどのようにすべきかをきちんと示してあげることが重要。正しい仕事の進め方を教えてあげること、そして結果につながるのかつながらないのかわからないムダな仕事をさせないことは、リーダーがメンバーに与えなければならない最も重要な報酬である。

私たち上司は、部下をマネジメントすることを決して甘く見てはいけません。
部下という人一人の人生は、上司の手に大きく左右されるのです。部下の今後の人生を掴んでいるのは、上司なのです。上司は部下を選べないと嘆くが、部下も上司を選べないということを忘れてはなりません。
もっと部下を褒めましょう。
叱るばかりでは、人は動きません。
もっと仕事にやりがいを与えましょう。
お金だけがやりがいとは限りません。
もっと自分が動きましょう。
指示するだけが上司の仕事ではありません。
部下はあなたについていっているのではなく、あなたの肩書きについていっているにすぎません。
最後に、本書にも載っている私の好きな山本五十六の言葉を。

やってみせ 言って聞かせて させて見せ ほめてやらねが 人は動かじ
話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず
やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず


by具太郎
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