「知の衰退」からいかに脱出するか? 大前研一
「知の衰退」からいかに脱出するか? | |
大前研一 光文社 2009-01-23 売り上げランキング : 1203 おすすめ平均 ひどすぎます 相変わらずのコンサル根性 B層で甘んじている日本人への警告 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
今の日本がおかしくなっている原因は一つ。それは「考える力」が無くなっているからである。
何より大事なのは“自分で考える力”“考えたことを実行する勇気”、そして“結果が出るまで続ける執念”である。
ご存じ経営コンサルである大前研一さんの著書ですが、久々に心を震わせる内容でした。すでに日本人に対して諦めを感じている著者が、それでも同じ日本人として出来れば気づいてほしい、という最終警告が書いてあります。
簡潔に言ってしまえば、「日本国」に希望はなさそうである。なので、読了後は強い危機感を感じます。もちろん全てが著者の考えている通りではないと思いますが、「考える力」のない人ほど「考える力」のある大前さんの提言に大きく影響されることでしょう。私もそのクチですが・・・。
副題にある「そうだ!僕はユニークな生き方をしよう!!」というのが希望を持つための答え。「集団IQ」の低い大多数の国民に流されず、自分だけでもそこから一歩抜きんでる力をつけないと本当にヤバそうです。
本を読まない人にも読んでもらいたい一冊。そして、国民全員で希望の持てる未来を作ることが出来れば、是幸いである。
考えてはいないが、なぜか人々は“意見”は持ってしまう。
日本の消費者は“自分で考える”ということを放棄し、安全をすべて他人任せにしている。
手に入れた一次情報の意味を考え、ときに疑い、ストックした情報と照らし合わせて、栄養のある情報だけを吸収して自分の中に取り込み、あとは捨てる・・・・・・こういうプロセスを経ないと意味がない。
インターネットなどで事実だけを集めて、自分なりの仮説を組み立ててみる。評論家になるのではなく、自分がバーナンキ議長だったらどうするか、オバマ大統領だったらどうするか、日本企業の財務担当だったらどうするか、と考え進めていく。
国内にだけこだわっていたら、世界で勝負できない。世界で通用しなかったら、本国でも通用しない。
優れた国も、企業も、そして個人も、他者から学ぶ。しかし、学ぶべきは自分たちに必要なところだけである。全部学んでは、コピーになってしまう。他者と自分が同じになっては意味がない。