一味変わったビジネス書分析本―「ビジネス書」のトリセツ 水野俊哉

「ビジネス書」のトリセツ
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はじめ、企画勝ちだと思われた処女作も、作品を重ねるごとに驚異的に中身が濃くなっていったのには驚きです。そして「トリセツ」シリーズ第2弾は、そう簡単には読み倒せない作品に仕上がっています。

目次
PART1 ビジネス書にダマされるな!
 01 ビジネス書の基礎知識
 02 ビジネス書の選び方にもコツがある
 03 差がつく本の買い方、売り方
PART2 ビジネス書が200%身につく読書術
 01 ポイントを読み取る読書術
 02 本を読む習慣を身につける
 03 読書の際の情報整理術
 04 読書を効率化するグッズ
PART3 隠れたサインを見抜く「裏読み」術
 01 「はじめに」のパターンを読み解け
 02 著者の隠れた意図を見抜け
 03 目次はこうして読みなさい
PART4 ビジネス書10大著者の「ここが読み所」
 01 勝間和代
 02 本田直之
 03 小山龍介&原尻淳一
 04 神田昌典
 05 苫米地英人
 06 茂木健一郎
 07 山田真哉
 08 小飼弾
 09 石井裕之
 10 小室淑恵
PART5 ベストセラー・ビジネス書「書き方」の法則
 01 アウトプットの方法
 02 ベストセラーの文章術
 03 セールスプロモーション
 04 ビジネス書ベストセラー作家の心構え
PART6 TPO別必読ビジネス書はこれだ!
 01 成功を導く珠玉のビジネス書

私がはじめて献本依頼を受けたのが、実は水野俊哉さん。(すでに購入済みだったのでお断りしましたが)
失礼を承知で言わせて頂きますが、「成功本」シリーズの頃は自著を売るのに必死さが伝わりすぎて素人臭さかったでしたが、5冊目となる本書では、すでにビジネス書界の大御所も手のひらで転がしてしまうような大物ぶりを発揮しています。
しかしそれは、決して反感を持たれるような中途半端な分析ではなく、ごもっともとしか言いようがない所がこれまた凄いところなのです。
それが顕著に表れている「PART4 ビジネス書10大著者の「ここが読み所」」はおもろしすぎる!古今東西、有名なビジネス書ベストセラー作家を水野流毒舌で切りまくり!しかもそれが、的を得ているからたまらないのです。
例えば、

年々、肌の露出と著書の中の自慢が増える傾向にある

著作に登場する半生のエピソードは波乱万丈に思えるが、よくよく考えると、結構なキャリアの持ち主である

間違って露出が減ってしまい、たまにバラエティーでヴァイオリンの生演奏までさせられている音楽家葉加瀬太郎のような微妙なポジションにならないよう、そこだけ注意してほしい

著作と連動してドラマなどのメディアミックスもしかけるなど、爽やかなルックスの裏側で会計士ならではの緻密なソロバン勘定も併せ持つハイブリッドなビジネス書著者である

う〜ん、ここまで言いきっちゃうのは凄いですね。
もちろん、本書のウリはこんなことではありません。ビジネス書を読む人、ビジネス書書評ブロガー、出版関係者や著者など、普段からビジネス書と接点のある生活をしている人には、オイシイ資料となるでしょう。
これは、前作の『知っているようで知らない 法則のトリセツ』と併せて、手元に置いておきたい作品です。
購入すべし!!


by具太郎
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