会社の電気はいちいち消すな 坂口孝則

会社の電気はいちいち消すな (光文社新書)
会社の電気はいちいち消すな (光文社新書)坂口孝則

光文社 2009-03-17
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おすすめ平均 star
star基本原理はコスト削減以外にも応用可能
star厳しい時代は「節約」を徹底させよう
star第3章はよいのだが

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昔、電気のスイッチを短時間に点けたり消したりするぐらいなら、点けっぱなしにした方が電気代がかからないと聞いたことがあります。真意のほどは定かでないですが、こんな私も今では職場での省エネリーダーを担当しています。そんな訳で、この本のタイトルは無視できるはずがありません。
いわゆる職場での水道光熱費の削減のため、毎日セコセコと行動しているのですが、やはり一人でどうこう出来る問題ではありません。全員の理解と協力があってこそ、実現可能な課題であるわけで。
ただ、これはやる前から容易に想像できたのですが、協力してくれる(問題意識の高い)人はやはり一握りなわけです。(というか一人もいないか・・・)そこで適当な対策法は、「仕組化」してしまうこと。つまり、削減を求めるのではなく、使用量を強制的に減らしてしまうこと、なのです。まあ、至って常識的なことなのですが、念のため語ってみました。
ということで、本書のタイトル『会社の電気はいちいち消すな』の答えは、本書の中でもわずか4行で終わらせています。

水道使用量を減らしたいのであれば、「無駄遣い禁止」という貼り紙をするのではなく、どんなに蛇口をまわしても一定量以上は出てこないストッパーをつける。電気の節約をしたいのであれば、「人がいないときは会議室の電気を消せ」というのではなく、5分以上人がいないときには自然に消灯するセンサーをつける。

本書はこんな浅い内容で終わりではないのであしからず。
会社の経営において重要な指標である「コスト」に注目し、なぜコストを削減するのか、その重要性と必要性、はたまた削減方法100連発と、徹底的に論じています。特に、思いもつかなかったような具体的な方法も載っていたので、早速利用しようと思います。(会社の許可が必要ですが)
また、前半の会計的な視点での「コスト」の見方は、私にとってとても勉強になりました。なんせいまだに会計は苦手なもので・・・。
最後に、本書に何度も出てくる重要なキーワードを。

人間は、愉しいこと、自分の利益になることしか進んでやろうとしない
人間は、ルールやシステムがないと、高い倫理観を持ち続けられない
人間は、強制的にやらされることしか達成できない

よく「経営者向け」とか、「経営者の目線で」という類の言葉を見かけますが、まさしくこの本がそう。こういうことを知っている(行動している)社員は、周りのそうでない社員よりも付加価値は高いと思います。
【編集後記】
本日は月末なので「銀行めぐり」に行ってきました。(私が家計を管理しています)
支払いの振り込みを終わらせて手元に残る現金は、毎月ほんの僅か。1か月一生懸命働いて手にした収入が、たった1日で完結してしまうと、ため息しか出ません。
こんな状態を打破すべく日々勉強中なのですが、短期的な解決策として私が提案するのは、支出を減らすこと(非原価主義)。一方、ヨメが提案するのは収入を増やすこと(原価主義)にあります。明らかに私の方が正しいと思うのですが、まったく理解してもらえません。両者の思考と価値観の違いは、なかなか埋められないようです。

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